相続した借金を返せないケース
親が借金を抱えたまま亡くなると、相続人は遺産として借金も受け継がなければなりません。
借金を放棄するには遺産を全て相続放棄する必要があります。
また、放棄したからといって借金が消えてなくなるわけではなく、次の遺産相続人に権利が譲渡されていきます。
家族の次は親戚、そのまま更に遠い血縁に権利が移っていきます。
さて、どうしても相続しなければならない遺産があり借金ごと受け継いだとしましょう。
もちろんそれまで借金返済費なんて考慮せずに生活してきた相続人は、借金の返済を延滞させてしまうことがよくあります。
しかし、返済しなければ遅延損害金が溜まっていく一方なので借金もただ増えていくだけです。
ですから、自分の収入だけでは返済できないと分かった時点で債務整理の手続きを行いましょう。
相続した借金のために自己破産するのは、不本意だと思うので任意整理を希望するといいと思います。
相談時に事情を話せば弁護士や司法書士も納得してくれるはずなので、スムーズに進められるでしょう。
任意整理では基本的に無理のない範囲で返済できるようになるため、とにかく早めに相談にいくことが大切です。
ちなみに借金を含めて相続放棄をするには死後３ヶ月以内に手続きをしなければなりません。
債務整理のあと
債務整理後数年はローンを組む、クレジットカードを作るなどキャッシングに関わることができなくなります。
債務整理が自己破産となると、職種次第で資格停止となり３ヶ月程度働けなくなる可能性があります。
対象となるのは、警備員、保険や証券会社の外交員、弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、日本銀行など金融系の役員・業者、派遣事業者、質屋、旅行業者などです。
これらの職業に就いている方は、返せそうにないのなら遺産相続を放棄することをおすすめします。